長年に渡り婦人誌『LEE』のメインモデルをつとめ、広告、商品開発、プロデュース、江戸川大学客員教授、新聞コラム掲載などプラチナ世代の代表として多方面で活躍し続ける稀有な存在。モデルとしてカメラの前で被写体として表現する久保が、カメラを手に持ち花を撮ることで新たな表現力を手にした。全て自然光で撮影し、花の一生、蕾から朽ちるまでの命の輝きをみつめることで自分の心とも対峙し、花の奥底に入り込んでシャッターを切る。そこには花ではなく生命力、強さ、しなやかさ、花の精なるものが映り込み久保自身の心と融合している。

名古屋で書家としてスタートした春陽は、創作活動では日本語の美しさと心の機微を書で表現し、名古屋リビングカルチャーセンター等での講師業では日本文化を継承指導。2010年上京後は独自の世界観を広げた作品を国内の画廊やショールーム等で発表、イラン、フランス、イギリス等海外でも発表し、抽象画家とも呼ばれる。仏・ルーブルでの展示を機に美術家へ。春陽の墨象による作品は繊細でありながら力強く、まるで線が生きているような、感情が佇んでいるようにも見え、同時に観る者の心を映し出す。春陽は墨に生命を注ぎ込む美術家である。