「たたなはる」とは山や重なり合う風景や人の気持ちが時空を越えて重なり合う心情を表す大和ことばです。
　久保は〝花〟に潜む強さ、しなやかさ、優しさを写真でひき出し、春陽は〝香り〟の情、安らぎ、祈りを筆で吹き込みます。そのふたつのエネルギーを新技法で重ね合わせた作品が生まれました。呼吸する和紙と染料や墨の炭素が放つ力は、飾る場所だけでなく気温や湿度の違いで味わいが異なり、観る者の心を揺さぶります。
　花と緑に溢れ、清々しい人々が集う星ヶ丘で街や人のエネルギーが更に重なり合う展覧会です。きっと観る人のとっておきの時間になります。
　パンデミックから未来へ光が見えてきた今こそ、アートの力で人々の心を癒し満たして、次への活力を鼓舞する時です。